- かな
- I
かな(連語)〔終助詞「か」に詠嘆の終助詞「な」の付いたもの。 近世江戸語以降の語〕文末にあって, 体言または体言に準ずるもの, 動詞・形容詞およびそれらと同じ活用型の助動詞の終止・連体形に接続する。(1)軽い詠嘆の気持ちを込めた疑問の意を表す。
「あの人はひとりでうまくやれる~」「どうしてそんなに怖いの~」
(2)自分自身に問いかける気持ちを表す。「お茶でも飲もう~」「もうそろそろ向こうに着く時分~」
(3)(「ないかな」の形で)願望の意を表す。II「だれか来ない~」「はやく帰らない~」
かな【仮名・仮字】〔「かりな」の転じた「かんな」の撥音「ん」の無表記から。 漢字を真名(マナ)と呼ぶのに対し, 仮の文字の意〕日本で発生・発達した音節文字。 平仮名・片仮名の総称。 日本語の音節を表すのに, 初めは漢字の音訓をそのまま用いた(=万葉仮名)が, それが簡略化されて片仮名が生まれ, 一方草書体から草仮名を経て平仮名ができた。 仮名文字。 和字。 国字。⇔ 真名〔表音文字としてみた場合は万葉仮名を含めてもいうことがある〕→ 漢字~に言・う平易に言う。 やわらげて言う。 [日葡]IIIかな【哉】〔係助詞「か」の文末用法に詠嘆の終助詞「な」が付いてできたもの。 中古以降の語〕体言およびそれに準ずるもの, 活用語の連体形に付く。 文末にあって, 詠嘆・感動の意を表す。 …だなあ。 …なあ。「うたてある主のみもとに仕うまつりて, すずろなる死をすべかめる~/竹取」「まつ人にあらぬものから初雁のけさ鳴く声のめづらしき~/古今(秋上)」「あぱれ剛の者~/平家 8」
〔(1)上代には「かも」が用いられた。 (2)現代語でも, 「惜しい」「悲しい」など一部の形容詞に付けて, 「…なことに」といった意味の慣用句を作るのにわずかに用いられることがある。 「悲しい~, 子供の力ではどうすることもできなかった」。 また, 「素晴らしき~, わが人生」などのように, 文語的表現として用いられることもある〕IVかな【縢】糸。 糸すじ。「人の心を~引きてみん/七十一番職人歌合」
Japanese explanatory dictionaries. 2013.